先日「SHOEI NEOTEC 3」と一緒に購入した内蔵型インカム「B+COM SX1」を6ヶ月間使用してみた結果、その優れた性能に感心しつつも、いくつかの不満点も見つかりました。今回は、この半年間で分かった「良かった点」と「悪かった点」を紹介していきます。「SHOEI NEOTEC 3」の6ヶ月レビューを先日紹介していますので、こちらも合わせて参考にしてみてください。
SX1のおさらい
「B+COM SX1」は、ヘルメット内蔵型のインカムとして、SHOEIの「COMLINK」対応ヘルメットに組み込める設計が特徴です。その最大のメリットは、ヘルメットの外観を崩さず、スマートに通信機能を利用できる点にあります。また、B+COMシリーズとして信頼性の高い通信品質と、音楽やナビ音声などの優れた音質を提供します。さらに、USB Type-C充電対応や、長時間のバッテリー持続時間など、利便性を追求した設計が魅力です。
詳しい機能については、過去記事や商品説明のページも参照ください。
良かった点
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B+COMならではの高い通信品質
B+COMの通信性能は非常に安定しており、グループでのツーリングでも通信の途切れがほとんどありませんでした。さらに、音質も非常にクリアで、風切り音が多い高速道路でも相手の声がはっきりと聞こえる点は特筆すべきです。ソロツーリング時には、ナビゲーション音声や音楽再生の音質も高く、長時間の移動でも快適さを損なうことがありません。周りがB+COMユーザーが多い方は言わずもがなですが、他社のインカムを使っていてもB+COMに装備される「ユニバーサルインターコール・レシーブ接続」機能を利用することで安定した接続も可能なので安心です。 -
ヘルメットとの一体感とスマートさ
SX1は内蔵型のため、外見上はインカムが装着されているようには見えません。これにより、ヘルメットのデザインを損なわず、ミニマルな美しさを保てます。また、外部に突起がほとんどないため、風切り音や物に引っかかるリスクが低減される点も大きなメリットです。 -
バッテリーの持ちが良い
フル充電で最大20時間以上の使用が可能で、日帰りや1泊2日のツーリングでもバッテリー切れの心配がありませんでした。特に長距離ツーリングでは、頻繁に充電する必要がない点が安心感につながります。また、電池残量を電源オフの際に毎回音声で通知してくれる機能も便利です。電池残量がわかっていれば、ツーリング終了後などに毎回充電する必要もないので、充電のストレスも軽減されます。 -
USB Type-Cの充電端子対応
多くのデバイスで使われているType-Cケーブルで充電できるのは非常に便利です。これにより、旅行やツーリングの際に充電ケーブルを一本にまとめられるため、荷物を減らすことができます。専用の充電ケーブルをツーリングの度に持っていくのは面倒ですし、忘れることもしばしばですが、その際はスマホなどの充電ケーブルを兼用できるので安心感が高いです。また、充電速度も速く、短時間で再び使用可能になる点が助かります。
悪かった点
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充電の度にヘルメットごと持ち運ぶ必要がある
SX1はヘルメット内蔵型のため、充電時にはヘルメット全体を充電場所まで持ち運ぶ必要があります。これにより、特にツーリング中に充電を行う際には、ヘルメットの置き場所やケーブルの長さに制限が出ることがありました。ヘルメット内蔵であることトレードオフの制約ではありますが、この点は改善の余地があると感じました。
どうしてもの場合は、USB Type-C端子であることからモバイルバッテリーを使用することも出来るので、ヘルメットが収容できるリアボックスの中で充電しておくなど回避方法がなくはないですが、やはりインカム本体だけを取り外して手軽に充電できる通常のインカムに比べると不便を感じると思います。 -
ファームウェアアップデート時にリセット事項が多い
定期的なファームウェアアップデートは重要ですが、アップデート後にペアリング設定や音量設定などがリセットされてしまうのは手間がかかります。特に複数のデバイスと接続している場合、一から再設定する必要があるため、時間がかかる点がデメリットです。この問題を軽減するために、設定のバックアップ機能があればさらに便利だと感じました。 -
価格が高め
SX1はその高性能ゆえに価格が高めに設定されています(B+COMシリーズの中で最高価格…)。特に、初めてインカムを購入するライダーにとっては、コスト面で躊躇する可能性があります。ただし、一度購入すればそのクオリティと使い勝手の良さに満足するため、長期的な視点で見ると十分に価値のある投資と言えるでしょう。
総括
SX1は「SHOEI COMLINK」対応ヘルメットと結合することで、高いクオリティと便利性を実現したインカムです。改善点はありますが、半年使ってみても大満足の一品でした。「SHOEI COMLINK」搭載のヘルメットは、「NEOTEC 3」「GT-Air 3」「J-Cruise 3」とフルフェイスからジェットまでラインナップも充実してきましたので、ヘルメット購入時には、SX1が取り付け可能なモデルを選ぶ価値が十分にあると思います。ぜひ、検討してみてください。