東海道新幹線には、乗客のニーズに応じた3つの種別「のぞみ」「ひかり」「こだま」が用意されています。普段、私は東京~名古屋間を仕事で移動することが非常に多いので、時間を最優先して「のぞみ」を利用することが多いのですが、プライベートで移動する場合は、隠れたメリットのある「ひかり」や「こだま」も利用することがあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解することで、効率的な旅が実現しますので、簡単に紹介していきたいと思います。
高速バスや自家用車の場合など、他の交通機関との比較については、過去記事もありますので、こちらも参考になさってください。
1. のぞみ(NOZOMI)
特徴
- 東海道新幹線の最速列車。東京~名古屋間を最短1時間35分、東京~新大阪間を最短2時間27分で結ぶ。
- 停車駅が少なく、主要都市(東京、名古屋、京都、新大阪など)のみ停車。
- 毎時最大12本が運行されており、列車の選択肢が多い。
メリット
- 最速で目的地に到着できる。
- ビジネス客や時間を重視する旅行者に最適。
- とにかく本数が多いので、スケジュール調整が容易。
デメリット
- 料金が他の種別より高い。
- 自由席の設定が少なく、繁忙期には満席になりやすい。また、最近は年末年始や御盆期間は全席指定席になることが多く、自由席自体が選択できないこともある。
2. ひかり(HIKARI)
特徴
- 「のぞみ」よりも停車駅が多く、東京~新大阪間は約3時間。
- 地域の主要駅(静岡、浜松、姫路など)にも停車。
メリット
- のぞみよりも多少安価で、時間に余裕がある旅には最適。
- 指定席・自由席の両方が選べる。繁忙期でも比較的座席が確保しやすい。
デメリット
- のぞみほどの速さではないため、特に長距離の場合、移動時間が長くなる。
- 停車駅パターンが複数あり、しっかり確認しないと目的の停車駅で降車できない可能性がある。
3. こだま(KODAMA)
特徴
- すべての駅に停車。東京~名古屋間で約2時間40分、東京~新大阪間は約4時間かかる。
- 各駅停車のため、地元の人や途中駅に向かう旅行者に便利。
メリット
- 料金が最も安価で、各駅を巡りながら観光ができる。
- 混雑時でも比較的座席が空いていることが多く、自由席の設定も3種別の中で最多。
デメリット
- 所要時間が最も長く、長距離の移動には不向き。
- 途中で何度も停車するため、乗客の乗降が多く、落ち着かないと感じる面もある。
- 毎時2本程度の設定のため、のぞみに比較すると乗車機会が少ない。
上手な使い方
時間を最優先するなら「のぞみ」
- ビジネス用途や、とにかく短時間での移動が必要な場合は、「のぞみ」を選ぶと時間の節約が可能です。
- 本数が多いことから、トラブルの際に列車の変更が容易で、スケジュールへの影響を最小限にすることが可能です。
- 東海道新幹線の「エクスプレス予約」サービスに加入すれば、切符を発券することなく、予約も何度も変更できる上、「EX早特」などの割引サービスが利用できるため、東京~名古屋間を9,700円~利用することも可能です。
バランスを重視するなら「ひかり」
- 移動時間に多少余裕がある場合は、「ひかり」がバランスが良く、指定席や自由席も柔軟に選べます。
- 東京~名古屋間で見た場合、毎時2本の内、毎時1本の「ひかり」は、「小田原」か「豊橋」に停車するのみで、ほかは「のぞみ」と同じ停車駅の列車が設定されている時間帯が多いため、所要時間も「のぞみ」と遜色なく(最短で1時間40分ほど)利用可能です。
ゆったりとした旅や観光には「こだま」
- 各駅停車の「こだま」は、途中の景色や駅を楽しみたい観光客にぴったりです。
- また、JR東海ツアーズが販売する「ぷらっとこだま」などの割引きっぷを利用することで、東京~名古屋間を通常期8,810円~で利用することができます。
- 家族で移動する場合は、上述の「エクスプレス予約」の会員であれば、「EXこだまファミリー早特3」などの割引サービスも利用ができ、3日前までの予約や繁忙期などの除外期間があるものの、普通車指定席がおとな8,050円~、こども4,020円~で利用可能です。
まとめ
東海道新幹線の3つの種別の特性を理解して、自分の旅のスタイルや目的に合った新幹線を選びましょう。特に、東京~名古屋間の場合、時間的には圧倒的なアドバンテージがあり、航空機や高速バスを寄せ付けません。
反面、料金は高速バスなどに比較すると高くつくため、格安旅行を嗜好される場合は高速バスを選択肢がちですが、「ぷらっとこだま」などの割引きっぷを上手く利用することで価格差は縮まります。
時間を取るか、費用を取るか、旅の目的や価値観、同行者の体力などと相談しながら、最適な移動手段を選択して、楽しい旅を楽しんでください。